CAだって普通の女性、結婚もすれば出産、子育てもします

CAだって普通の女性、結婚もすれば出産、子育てもします

今も昔もCAは多くの人(特に女性)が憧れる職業であり、それゆえに就職試験も狭き門です。特にJALやANAといったフルサービスキャリアでCAになれるのは一握りの人たちなので、どこか特別な人たちだと思ってしまいがちです。
しかし、そんなことはありません。CAだって人間ですし、一般的な女性が経験するライフイベントである結婚や出産、そして子育てをするといったことも当然あります。
どうやって両立しているの?プライベートがネックになってしまうことはないの?と色々な疑問が出てくると思いますので、ここではそんなCAの結婚、出産、子育てといったプライベート事情に迫ってみたいと思います。

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実はCAは一生続けられる仕事

CAというと若い女性というイメージを持っている人が多いと思いますが、それは昔の話です。結婚イコール寿退社という図式が当たり前だった時代は、ある程度の年齢になって結婚をすると退職、そしてまた若い人が入社してくるといったことを繰り返していたので、必然的に若いCAが中心になります。しかし、その時代であっても欧米のエアラインなどでは年配のCAが珍しくなく、筆者も海外の航空路線に搭乗した際に明らかに50歳を超えていると思われるCAにアテンドをしてもらったことがあります。
今では日本のエアラインもこうした流れになってきており、結婚したからといって自動的に退職するという発想にはなりません。その証拠のひとつとして、JALは経済産業省から「なでしこ銘柄」に指定されています。この「なでしこ銘柄」というのは女性が活躍できる環境が整っている銘柄(上場企業)を認定する制度で、JALがそれに認められているということです。
ANAについてももちろん制度が整っていないというわけではなく、2018年現在のデータとして約8,000人いるCAの中で3割程度の人が既婚者となっています。
結婚を機にCAを辞めようかと悩んでいる人に対して、先輩が「せっかくCAになったのだから続けられるように頑張って」と励ますというシーンも珍しくありませんし、それだけCAはエアライン各社にとって大切な人材であるということです。

自分の力だけではCAを一生の仕事にできない

結婚は自分だけでするものではなく、相手のあることです。自分だけが「CAを一生続ける!」と意気込んでいても、パートナーがそのことを理解してくれないと難しい部分があります。
そう言い切れる最大の理由は、居住地です。CAにはそれぞれ所属空港があり、その所属空港の近くに住むことが前提条件になります。福岡空港が所属ということであれば、福岡空港の周辺に住んでいる必要があるということです。
パートナーが同じく福岡で勤めている人であれば問題ないかも知れませんが、もし東京勤務になったといった場合など、居住地が一致しない時には問題が生じます。
せっかくCAになったのだし、その仕事を続けたいのであればという理由でパートナーがCAである妻の居住地から通える仕事に転職したという事例もあるので、やはりパートナーの理解が前提になっていることが分かります。

居住地が合わない場合は、どうするか?

先ほどはパートナーの理解が得られた理想的な事例ですが、現実はそうもいきません。むしろそうもいかないことの方が多いので、そうなると困ったことになります。
そこで考えられる選択肢は、別居婚(単身赴任)です。
単身赴任自体はそれほど珍しいことではないので、住む場所が一致しないというだけで退職しなければならない、もしくは離婚しなければならないといったことにはなりにくいでしょう。

実家も含めて、自分の周りの人をすべて味方にする気持ちが大切

パートナーに理解があるといっても、仕事と家庭の両立は一人でできることではありません。子どもがいるという場合であれば、それはなおさらでしょう。今ではエアライン各社の子育て支援制度が充実していますし、託児所を使いやすい環境になっていますが、仮に託児所に子どもを預けられるからといってもそこに誰が子どもを送り迎えするのか?といった現実的な問題も出てきます。
パートナーだけでなく、実家の身内やさらに範囲を広げて近所の人、ママ友といった人間関係も味方になってもらうというくらいの意識が必要です。
そんなこと本当にできるの?と思われるかも知れませんが、先ほどご紹介したANAのCAのうち3割を既婚者が占めているというデータに加えて、実はその中の1,800人は子どもがいるCA、つまりママさんCAなのです。この人たちはその両立をうまくこなしているわけで、こうした人たちの奮闘は心強い前例となっていくでしょう。
昔と違って、「子どもは女が育てるもの」という時代ではありません。子どもは夫婦だけでなく家族全体で育てるものというムードが定着してきているので、ライフステータスが変わってもCAを続け、一生の仕事にするということは決して難しくないのです。

エアライン就職最大のヤマ場、面接試験で何を聞かれても慌てないための回答術

エアライン就職最大のヤマ場、面接試験で何を聞かれても慌てないための回答術

エアライン就職という目的のために立ちはだかる最大の関門であり大きなヤマ場となるのが、面接試験と言って良いでしょう。エアライン就職のための予備校とも言えるエアラインスクールでも、面接試験対策に力を入れているところは多く、やはり最大の関門と捉えられていることがひしひしと伝わってきます。
筆記試験のように知識を勉強しておいて本番に臨むということができませんし、受験者が想定していることを質問してくれるとは限りません。本番は1回だけであり、問答による試験である点が面接試験の難しいところです。
それゆえに、せっかく準備していたのに思い通りにできなかったという声も聞かれますが、実はエアライン各社の面接官にとってはそれが狙いです。それっていったいどういうことでしょうか?その真意と、エアライン面接の本質に迫ってみたいと思います。

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定番中の定番質問、「志望動機」

予想している質問が出るとは限らないとは言っても、必ず質問されるのが志望動機です。なぜ当社に入社したいのか?という趣旨の質問から、なぜCAになりたいのか?というものまでニュアンスに微妙な違いはあると思いますが、必ず出される質問です。それだけに答えを用意しておく価値は十分にあります。
ここで重要になるのは、そのエアラインに対する愛です。面接官の立場になって考えてみると、その面接試験を通じて採用した人が将来CAとして活躍してくれたら、その面接官の採用活動は成功したことになります。その本人にとっても社内の評価や出世に関係することなので、その意味でも「就職後に成功する人材」を見極めようとしています。CAになりたいと思って就職活動をしている人も必死ですが、実は面接官も必死なのです。こう考えると、少し楽にもなりますし、本質が見えてきませんか?
その事情を踏まえて答えたいのが、先ほども述べた「エアラインへの愛」です。CAという職業に憧れるようになったキッカケ、そしてCAという職業に対する愛、そしてそのエアラインに対する愛です。そこには器用さや美辞麗句はあまり必要ではなく、熱意をもって愛を伝えてください。
好きな人に愛を伝える時には、相手のどこが好きなのかを伝えて分かってもらおうと努力するはずです。エアラインの面接試験もこれと全く同じで、そのエアラインで活躍したい!という思いを自分の言葉で用意しておいてください。

もうひとつの定番質問、「自己PR」


なぜ、エアラインで働く人たちが標準語を使うのか。そこには明確な理由があります。日本全国どこの出身の人が聞いても分かるように話すことで誤解をなくし、スムーズに運航をするためです。九州の人がいつもの話し言葉でアナウンスをしたら、同じ日本人であっても完全に理解できない乗客が出てくることでしょう。
ここで注意したいのは、採用選考の目的がスムーズな運航に貢献してくれる人を選ぶことであり、「方言を完全に修正した人」を探すことではないという事実です。
いくら標準語を意識しても、面接試験の場で思わず方言が出てしまうこともあると思います。その瞬間に即アウトかというと、そんなことはありません。方言が出てしまったということは自分の言葉で話している証拠であり、むしろ方言で話している時の受け答えに面接官の注目が集まるかも知れません。面接試験で思わず方言が出てしまったとしても「公式の時にちゃんと使い分けてくれれば問題なし」というのが、航空会社のスタンスです。
まだ方言が少し残っていたとしても人物的に採用したいと思えるような人であれば、方言を理由に不合格にすることはありません。

航空会社の多様化によって方言を敢えて前面に出すことも

志望動機と並んでほぼ確実に出される質問として多くの受験者が意識するのが、自己PRです。自分で自分の良いところを挙げて伝えるのですから、普段の生活であまりすることでなく難しさを感じる方も多いと思います。
やはりここでも重要になるのが、CAという職業やそのエアラインに対する愛です。自分がそのエアラインの制服を身にまとって活躍している姿を想像して、そうなったら自分のためにもなるし、会社のためにもなる、そしてお客様のためにもなるというロジックで自己PRを組み立ててください。
ロジックとは論理のことで、事実と根拠で成り立っています。「自分はこんなCAになれると思う」という思いには必ず、なぜそう思うのかという証拠や根拠が必要というわけです。
自分は接客に向いているということをアピールする人は多いと思いますが、それだけでは弱いです。なぜ接客に向いていると思うのか、そう思うようになったエピソードがあるとロジックとして成立します。
敢えて自分の弱さを出すという組み立て方も有効です。「自分は引っ込み思案だったのが悩みでした」というところから始まって、それを克服するために留学をした、外国人との交流サークルに入ったといった具合に何かチャレンジをしたエピソードを盛り込み、その結果としてCAに自分の適性を見出したというストーリーであれば、聞く人の共感が得られると思います。
自己PRは自分の良いところだけを伝えて小手先のきれいな言葉を並べるのではなく、相手の立場になって聞きたい話と思ってくれるかどうかの視点に立ってください。

想定外の質問が出ても慌てないために

定番の質問については準備をしておくことができますが、それ以外の質問についてはすべてを予測することができません。むしろ、想定外の質問が出るのが当たり前というくらいに思っておいた方が良いでしょう。その方が慌てずに済みますし、現実に即しています。
冒頭でせっかく準備していたのに思い通りにできなかったという声を紹介しましたが、これは自分の言葉で回答を用意していなかったからこそ起きるものです。自分の言葉で回答を用意しておいたのであれば、予想外の質問が出ても落ち着いて自分の考えを伝えられるはずです。面接官は敢えて予想しにくい質問を出して、その人の本音やコミュニケーション能力を見たいのですから、そこはとても重要なポイントです。
人間力という言葉があります。少々あいまいな言葉なので習得しにくいと思いがちですが、自分の頭で考えて出した言葉には力がありますし、そうやって言葉を出せる人のことを人間力があると評価します。
福岡ウェディング&ホテル・IR専門学校のエアライン系コースでは、もちろん面接試験対策もカリキュラムに含まれています。テクニックとして堂々と受け答えができるような身のこなしを学びますが、そこで答える内容については自分の言葉を用意できるようになることを重視しています。人間力を磨いて、どんな質問が出ても慌てないようになることが、面接試験突破に向けた最大のコツなのです。

エアラインの仕事に就いて良かったと思うことをプロに聞いてみた

エアラインの仕事に就いて良かったと思うことをプロに聞いてみた

かつてスチュワーデスと呼ばれていた時代からCA(キャビンアテンダント)と呼ばれる今の時代に至るまで、エアラインは常に花形の職業です。飛行機を利用すると誰もが感じるのは、空港や機内で接する人たちのキビキビした動きや、きめ細かいサービスです。
そして、多くの人はこう思います。「さすが航空会社の人は違うな」。この「さすが」という言葉こそ、多くの人がエアラインに対して持っているイメージそのものです。今も昔もエアラインは尊敬や憧れの対象であり、そんなイメージと最も近いのがCAという職業です。
それゆえにCAを目指す人はとても多く、CAになるための試験対策などを行う専門のエアラインスクールがあるほど、簡単なことではありません。
そんな人気の職業であるCAについて、現役のプロとして活躍している人に実際のところを聞いてみました。リアルな話が満載なので、CAを目指しているすべての方にお読みいただきたい内容です。

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CAが持つ意外な役割


皆さんは、CAの仕事というと何を想像しますか?飲み物や食べ物を提供したり、トイレに行きたい人のために空いたことを知らせたりといった機内サービスを想像する方が大半だと思います。しかし、CAにはもうひとつとても重要な役割があります。何だと思いますか?
その答えは、保安要員として機内の安全を守る役割です。飛行機が離着陸する時に、機長がシートベルト着用サインを点灯させます。このサインが点灯するとシートベルトがちゃんと着用されているかをCAが見て回ります。シートベルトをしていない場合はもちろんのこと、シートベルトがねじれているだけでも声をかけてきます。ここまでCAが徹底してシートベルトにこだわるのは、保安要員として飛行機が揺れやすい離発着時のシートベルトが保安上とても重要だからです。
CAは年に一度、定期救難訓練という訓練を受けています。筆記試験と実技試験がある本格的なもので、これに合格しなければCAの業務につくことはできません。つまり、現役のCAとして活躍している人は全員がこの試験に合格しています。
乗客はあまり意識しませんが、CAはこのことに高い意識と誇りを持っています。中には気分が悪くなる乗客が出ることがありますが、そんな時に水を持ってきたり毛布をかけてくれるのも、CAです。これはおもてなし精神によるサービスというより、乗客の安全を守る保安要員としての仕事だと考えたほうが良いでしょう。
こうした仕事ぶりがますます、「CAってカッコいい」と思わせる要因になっているのは間違いないと思います。

エアライン就職と方言の関係、不利になるという噂は本当か

エアライン就職と方言の関係、不利になるという噂は本当か

日本全国にはたくさんの空港があって、それぞれの空港や機内ではGS(グランドスタッフ=地上職員)やCA(キャビンアテンダント=客室乗務員)など、たくさんの人が働いています。
日本全国にはたくさんの地方があってそれぞれの地方には方言がありますが、空の旅を利用しているとどの空港や航空会社であっても接する人たちが標準語を話していることに気づかされます。
こうした人たちの話しぶりを見ていると、エアラインに就職するには方言を修正しないといけないのかと思ってしまいますね。
これって、実際のところはどうなのでしょうか。普段話している言葉が標準語ではない人は方言を修正しないと面接などで不利になってしまうのでしょうか。その真実をお伝えします。

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九州人にとって方言は文化そのもの


九州に独特の方言や文化があるのは、皆さんよくご存じの通りです。しかも、同じ九州の中でも福岡と鹿児島ではまるで方言が違いますし、同じ福岡県の中でも微妙に異なる方言があります。方言はその地方の文化そのものなので、九州に豊かな方言が今も残っているのは、それだけ文化を大切にしてきた証拠です。
しかし、たとえ福岡空港であっても九州の方言丸出しでアナウンスをしているGSはいませんし、福岡発の飛行機に乗ってもCAが博多弁を話すことはありません。
やはり、エアライン就職で方言は邪魔になってしまうのでしょうか。

使い分けることができれば方言自体に問題はない


なぜ、エアラインで働く人たちが標準語を使うのか。そこには明確な理由があります。日本全国どこの出身の人が聞いても分かるように話すことで誤解をなくし、スムーズに運航をするためです。九州の人がいつもの話し言葉でアナウンスをしたら、同じ日本人であっても完全に理解できない乗客が出てくることでしょう。
ここで注意したいのは、採用選考の目的がスムーズな運航に貢献してくれる人を選ぶことであり、「方言を完全に修正した人」を探すことではないという事実です。
いくら標準語を意識しても、面接試験の場で思わず方言が出てしまうこともあると思います。その瞬間に即アウトかというと、そんなことはありません。方言が出てしまったということは自分の言葉で話している証拠であり、むしろ方言で話している時の受け答えに面接官の注目が集まるかも知れません。面接試験で思わず方言が出てしまったとしても「公式の時にちゃんと使い分けてくれれば問題なし」というのが、航空会社のスタンスです。
まだ方言が少し残っていたとしても人物的に採用したいと思えるような人であれば、方言を理由に不合格にすることはありません。

航空会社の多様化によって方言を敢えて前面に出すことも

方言とエアラインの関係については、ここ最近少し新しい傾向も見られるようになりました。その主役は、LCC(格安航空会社)です。LCCは安さが売りの航空会社だけに機内の装備なども簡素になっており、少しでも乗客を楽しませようというアイデアで独自性を前面に出しているケースも少なくありません。
その代表的な例が、日本最大のLCCであるPeachです。Peachは大阪を本拠地にしていることもブランドイメージの一環としているため、CAの話し言葉には若干の関西弁が含まれていることがあります。おそらく社内の規定としてあまり関西弁を極度に抑えておらず、自然に出てしまうことに寛容なのだと思います。
極めつけは、Peachの便が目的地に着陸した時です。
最後に「今日は、ほんまおおきに」とCAが挨拶します。方言がタブー視されてきた従来の考え方とは対極にある、面白い事例だと思います。
こうした傾向が拡大すれば、方言のことがそもそもあまり気にならないという時代が来るかも知れません。

公的な場面で標準語が使えるようになって社内グレードを上げよう

エアライン就職で方言のことをそこまで気にしなくても良い状況になってきてはいますが、先ほども述べたように「公式の場で使い分ける」ことはエアライン各社から今も求められています。公式の場で正確な標準語で話せるのであれば問題ないというのは、裏を返せば公式の場でも方言が前面に出ているようで仕事にならないということでもあります。
もちろん、エアライン各社は入社後の研修で標準語もしっかりとレクチャーします。入社前には標準語が苦手だった人も、この研修でしっかりと身につけていけば現場で十分活躍可能です。
あまりご存知ない方も多いと思いますが、飛行機の機内アナウンスには社内グレードがあります。より正確で美しい標準語で話せるようになるとグレードが上がっていく仕組みになっており、業務によってはグレードが高いCAでないと担当できないものもあるほどです。乗客に対して正確に物事を伝えて、安心して空の旅をしてもらうには、言葉が大切だということですね。
いかがでしたか?方言とエアライン就職の関係について、特に九州の人たちが気になりがちな点について解説しました。ここで解説したことを踏まえて、次に飛行機に乗ったらCAやGSの話し言葉を注意深く聞いてみてください。

CA就職の新しい道、LCC(格安航空会社)ってどうなの?

CA就職の新しい道、LCC(格安航空会社)ってどうなの?

エアライン就職をお考えの方の多くは、航空業界の最新事情をある程度知っていることと思います。最近の航空業界で目立つ話題となると、LCCの話を抜きには語れないでしょう。詳しくは後述しますが、LCCとは格安航空会社のことです。
日本ではPeachというブランドがとても有名ですが、このPeachはANAの子会社です。つまり、ANAは本来の航空会社としての集客だけでなく、LCCを利用するような客層にもアプローチしているわけです。それだけ大手航空会社にとっても無視できない存在になっているということです。
もちろん福岡空港にもPeachだけでなくジェットスターや韓国勢などたくさんのLCCが乗り入れているので、実際に乗ったことがあるという方も多いのではないでしょうか。
JALやANAといった従来の航空会社と何が違うのか、そしてエアライン就職先として考えた時の特徴や魅力はどうなのか、CAになる就職先としてのLCCを徹底解剖してみました。

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LCCは何が違って、なぜこんなに安いのか


LCCとは、Low Cost Carrierの略です。これを訳して格安航空会社と呼ばれているわけですが、従来からあるJALやANAといった航空会社はそれに対してFSCと呼ばれています。FSCとはFull Service Carrierの略で、文字通りフルサービス型の航空会社です。
LCCとFSCの最大の違いは、航空運賃です。単純に福岡空港から大阪までの運賃を比較してみても、FSCだとセール価格であっても1万円台になるのに対してLCCの代表格であるPeachだとセール価格で2千円前後になるという圧倒的な安さです。

LCCだとCAの仕事が少ない?


LCCがこんなに安いのは、FSCでは運賃に含まれているようなサービスがすべて運賃内で提供されていないからです。預け荷物や座席指定といった基本的なものから機内での飲食、映像・音楽などのエンターテインメント、さらには最近FSCで導入が進んでいる機内Wi-Fiなど、これらすべてが有料もしくはサービスそのものが設定されていません。
こうした機内サービスの多くはCAのアテンドによって提供されるわけですが、LCCに乗るような客層の人たちはそもそも空の旅にお金をかけたくないという発想でLCCを選んでいるので有料オプションをつけることがあまりなく、LCCだと機内でのCAの仕事は少ないと言われています。

LCC特有の業務もあります

機内での仕事が少ないのであれば、LCCのCAは仕事的に楽なのかもと考える方もおられるでしょう。しかし、それほど話は簡単ではありません。というのも、LCCのCAにはLCC特有の業務があるからです。
例えば、機内清掃。LCCは安さを実現するために飛行機の回転率を高めています。飛行機が目的地に着いたらすぐに次のフライトの準備を始め、それが終わったらその空港から乗客を乗せるといった具合に運用しており、その清掃や機内準備を担当するのはCAです。FSCだと機内清掃は専門の清掃スタッフが行いますが、LCCはすべて「自分たちでやる」のが基本です。状況によってはパイロットも機内準備の手伝いをすることもあるようなので、パイロットにとってもLCCは価値観の異なる職場に感じられることでしょう。
機内サービス業務が少ないことからLCCのCAは楽だということが、表面上の話であることがお分かりいただけたと思います。もしかすると、むしろ乗客がいる飛行中がCAにとって一番休まる時間なのかも知れません。

一番気になること、格安航空会社だけに給料も格安?

LCCのCAについて、業務上の特性を解説してきました。次に触れるのは、一番気になる収入についてです。格安航空だけに給料も格安なのではないかと思ってしまいますね。
実際にLCCの求人要項や給与モデルを見ていると、やはり関係はあります。機体のメンテナンスなど運航上の安全確保に必要なコストを切り詰めるわけにはいかないことを考えると、人件費を削減して安さを維持しようとする考え方は理解できます。
パイロットの人件費についてもFSCと比べると低いことが影響して、世界全体でLCCのパイロット不足が指摘されています。パイロット不足のせいでPeachが大規模な運休を発表したこともありましたが、現在では人件費の見直しによってその問題も解消されつつあるようです。
CAについても同様の傾向があるので過度の人件費削減はもうないと思いますが、契約社員やアルバイトなどの形態で採用する場合もあるので、LCC=給料が安いという全体的な傾向は変わらないと思います。

LCCはエアライン就職の新しい選択肢

給料が安いということは応募者が少なく、LCCならCAになりやすいのではないかと考えたくなるところです。しかし実際にはLCCであってもCAの応募者は多く、人気職業であることに変わりはありません。
待遇面でFSCに及ばないとは言えCAであることに変わりはなく、FSCと同じように飛行機を運用して機内サービスを提供しているのですから、乗客から見るとCAであることは同じです。また、CAに対するブランドイメージもLCCだからといって大幅に落ちるわけではありません。そう考えるとLCCであってもCAが人気職業であることは当然でしょう。
それともうひとつ、LCCが人気を集めている理由があります。それは個性的な採用基準です。FSCだと身長や英語力、学歴といったような明確な基準を設けているところが多いですが、LCCの場合は採用基準が各社まちまちで独自性があるので、「FSCに合格できる見込みは低くかったがLCCの〇〇社なら合格できた」という人が出てくるのです。
待遇的にFSCより劣るということで、LCCで働くCAの中にはCAを最終的な職業と捉えていない人もいるそうです。CA経験をいかして何かやりたいことがある、若いうちは空で仕事がしたいといったように、経験そのものを手に入れたいという人にとっても、LCCは魅力的な職場になるということです。
この記事を読み始めて、「LCCならCAになれそう」と思われた方も多いと思いますが、LCCだからといって簡単に採用されるわけではないので、エアラインの就職試験を突破できる人になる努力は惜しまないようにしましょう。

客室乗務員(キャビンアテンダント)になりたい方は必見!憧れの客室乗務員(キャビンアテンダント)ってどんな仕事?待遇は?

客室乗務員(キャビンアテンダント)になりたい方は必見!憧れの客室乗務員(キャビンアテンダント)ってどんな仕事?待遇は?

この記事をお読みになっている方の多くは、CA(キャビンアテンダント=客室乗務員)に興味、憧れを抱いていることと思います。そんな方々に今さら言うまでもないことですが、CAは昔も今も憧れの職業として常に上位にある人気職業です。
なぜこんなにCAは人気があるのでしょうか。その理由はさまざまですが、国際線のCAが世界中のお客様を相手にアテンドをしている姿、航空会社の制服を身にまとって颯爽と空港を歩く姿、機内で何か起きた時にもテキパキと動く姿・・・このどれを取ってもカッコいいと感じるものばかりなので、CAに憧れを抱く人が多くなるも当然でしょう。
実際に夢が実現してCAになったら、どんな仕事をするのか、どんな待遇なのか、そんな「CAの実際」を現役CAにお聞きした話も交えてリアルにご紹介します。

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CAという呼び名は、実は和製英語だった


まず、CAという職業名について。実はこのCAというのは、和製英語です。Cabin Attendant(キャビン・アテンダント)を略してCAと呼ぶのはよく知られていますが、正しい英語ではFlight Attendant(フライト・アテンダント)やCabin Crew(キャビン・クルー)といいます。飛行機に乗っていると機長からCAの人たちに業務連絡が発せられることがありますが、その際にはCabin Crewと呼ばれていることが多いように感じます。
CAという日本での呼び名は、Cabin CrewとFlight Attendantを足して2で割ったようなものだということですね。

CAの本業は機内サービス


CAに与えられた役割は、お客様を安全、快適に目的地まで空の旅をしていただくことです。ここには大きく分けて、2つの意味が含まれています。
1つ目は、機内食の提供や機内サービスによる物品の販売など。これは飛行機に乗ったことのある多くの方が目にしたことのある業務です。実はCAに与えられた使命はもう1つあって、そちらのほうがむしろ重要です。
その2つ目とは、保安要員としての仕事です。飛行機は空を飛ぶ乗り物なので揺れることもありますし、離着陸時には衝撃を受けることもあります。そのため離着陸時にはシートベルト着用が義務づけられているわけですが、そのシートベルトが正しく装着されているかチェックするのはCAの仕事です。ベルトが少し緩んでいたりねじれているだけでもCAから直すように促される光景を目にすることもありますが、これもCAの保安要員としての職務です。
こうした平常時以外にも、CAは非常時にどう行動するべきかという訓練もしっかりと受けています。それが現実になることは稀ですが、いざそれが現実になった時にはCAは「おもてなしをする人」から「乗客の安全を守る人」になり、とても頼もしい存在になります。
気流が不安定な空域に入ると、飛行機が大きく揺れることがあります。揺れただけで飛行に危険が及ぶようなことはありませんが、不安になる乗客もいます。そんな時に「飛行には支障ございませんのでご安心ください」と冷静にアナウンスをし、それでも不安な乗客には寄り添ってアテンドをするといったこともあります。こんな光景を見ると、またCAにカッコ良さを感じる人が出てきても不思議ではないと思います。

CAだからといってお給料は特別じゃない?

このように機内ではありがたい存在であり、頼もしい存在であるCA。そのお給料事情はどうなのでしょうか。花形職業だけにきっとお給料も高いはず、と思われている方も多いことでしょう。
結論から述べると、CAも航空会社の社員なので、給与体系はそれぞれの航空会社の規定によって決まります。CAだからといって破格のお給料というわけではありませんので、まずその点は押さえておいてください。
一時期は人件費削減の一環で、CAの待遇があまり良くないことがありました。しかし、折からの航空需要の増加や採用競争力を高めるという意味からCAの待遇改善が進んでおり、今では一般的なサラリーマンよりも待遇が良いと言える状況になっています。
また、CAにはさまざまな手当てがあります。乗務手当やフライトの時間帯によっては深夜勤務手当、旅費日当(パーディアムといいます)、ボーナスなどなどがつくので、年齢が30代半ば頃になると年収500万円を超えてくるというのが標準的な収入モデルです。
サラリーマンの年収が300万円時代になったと言われる中、この年収は色々な手当てを含めたとしても恵まれている部分はあるかも知れません。

現役のCAに聞いてみた「CAってどう?」

仕事内容とお給料事情、CAについてさまざまな角度から解説をしてきましたが、一番気になるのはこうした事情を踏まえてCAとして働いている人がどう思っているのかということ。
そこで、現役CAとして働いている方々にお話を聞いてみることにしました。そこから得られた話をまとめると・・・

・お客様を守り、笑顔で過ごしていただくという使命感はとても大切
・CAはこの思いを共有しており、責任感に満ちた職場だと思う
・こうした思いで仕事に取り組んでいるだけに「ありがとう」と言われると感動が大きい
・目的地までのフライトだけのお付き合いでも、縁あって搭乗されたお客様に喜んでもらうことを日々考えている
・何事もなく安全運航を続けるための努力は終わらない

といったように、意欲と責任感にあふれるお話ばかりになりました。
それともうひとつ、本音の部分で得られたお話も紹介しましょう。

・CAの仕事には圧倒的なブランドイメージがある
・CAを退職してもそのブランドイメージをいかしてマナーやホスピタリティの仕事がある
・ホスピタリティの考え方はホテルマンと似ている

こうした本音を見ても、やはりCAという仕事の素晴らしさ、そしてCAとして活躍している人たちの誇りを感じることができますね。